1931年(独)フリッツ・ラング監督初のトーキー作品。
フリッツ・ラングと言うと、「メトロポリス」が有名で、サイレントの時代から50年代まで製作をしていた大監督です。

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「ペーター・キュルテン」はご存知だろうか?

「デュッセルドルフの吸血鬼」と呼ばれた実在の殺人鬼で快楽殺人を繰り返していた。
手塚治虫氏のマンガ「ペーター・キュルテンの記録」でも有名です↓
http://www.asahi-net.or.jp/~AN4S-OKD/private/bun/man01904.htm
(事実とはちょっと違うようだ)

 
 
彼の幼少の頃に「切り裂きジャック」が現れたが、ピーターは犯人が確定して、まともな記録が残っているシリアルキラーでは最古の部類に入るのではないだろうか。

1931年に死刑となり、彼をモチーフに製作したのが「M」です。

実際のペーター・キュルテンは稀代の凶悪殺人犯だが、劇中では少女ばかりを狙う気弱な小男となっている。

タイトルの「M」は「殺人者」の頭文字で、映画を見ていると納得する。

内容は尻上がりに面白くなり、映像を注意深く見ていると製作年代の古さも楽しめる。

変な所で映像を繋いであったり、フィルム交換を映写技師に教えるパンチが大きかったりとかです。

後は、カメラの動き・・・・いや、総て固定カメラなのです。

固定カメラの切り替えだけで撮影した映画なんて今時見れませんよ!

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お勧め度
☆☆☆☆★

久々に「映画を見た」と思える充足感を得た。
犯人の口笛(曲はペールギュント)がいい味出しています。
また、最後の裁判シーンは必見で、70年以上前に撮影された映画なのに現代に通じるところがあります。
F・ラングの才能なのか、日本が遅れているのか?

この作品とタイトルから日本の「M崎君」を思い出す。
思い出すどころか、M崎君をモチーフにしたのでは?と思うぐらいだ。

参考レビュー↓
http://jtnews.pobox.ne.jp/movie/database/treview/re1549.html

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